一つの恋が終わる時
- 2010年 5月28日
- 投稿者 : halkc
彼が私に別れを告げに来た
私より若くて可愛い子と付き合いうのだそうな
わかる!わかるよ!その気持ち!!
理解できても納得できても、腹が立たないわけはない
悲しくないわけでもない
気分が沈み、そしてそれを彼に気取られたくない
私は彼に背を向けてこたつにもぐりこんだ
これが最後かと思うと、顔を見ておかないのは少し惜しい気もする
いや、だいぶ
ずっと彼を失いたくないと強く思い、別れの機会も何度かあったと思うけれどいつも縋りついてきた
お互いに
それがこんなふうに突然あっさりと終わっていく
こんなふうにあっさりと
そして思ったよりも悲しくない
悲しくないのではなく、思ったよりも悲しくない
もっと泣いたり叫んだりなだめたりすかしたり、するのではないかと思っていた
ただ、静かに悲しい
ひっそり悲しみを胸のうちで育てている感覚
そんな思いをめぐらせる私の後ろで、彼は何かをしている
気になる
振り向きたい
何かパチンパチンと音がする
どうにも気になって、我慢できずに振り向いた
彼は、”生け花”をしていた
私にはまったくそうは見えなかったけれど、彼曰く”生け花”だとか
鋏で切った花を、次々くっつけていく
木工用ボンドで
新しすぎてついていけない
いつもそうだった
だから別れは定めだったのだろうか
子供のように目をキラキラさせながら”生け花”という名の花を殺す作業に没頭する彼を見て、私はぼんやりそう思った
この時一つの恋が終わりを告げた
という夢をみた









